単純温泉とは

刺激が少なく家族みんなで楽しめる単純温泉

単純温泉は、温泉に含まれるミネラルなどの成分が一定量以下の泉質のものをいいます。
具体的には、温泉1キログラム当たりに含まれる気体以外の成分が合計で1000ミリグラム未満で、温度が25度以上の場合に単純温泉と分類されています。

特定の成分が突出して多く含まれておらず、含有成分が比較的少なめであること特徴といえるでしょう。
色は無色透明で、無味無臭のさっぱりとした泉質です。
刺激が少ないので、お子さんからお年寄りまで、みんなで楽しめるのも特徴です。

単純泉は日本では最も多い泉質であり、私たちになじみ深い温泉といえるでしょう。
岐阜県の下呂温泉、神奈川県の熱海温泉や愛媛県の道後温泉、大分県の湯布院温泉など、国内各地に有名な単純温泉が点在しています。

体に与える影響

単純温泉は特有の主成分はないのですが、だからといって効能が低いわけではありません。
単純温泉という名前から、含有成分が少なくて単純な泉質だから効能が低い…そんな印象を抱く方がいるかもしれません。
しかし、それは誤解です。

単純温泉に分類される泉質では、含有成分は限定されていません。
一口に単純温泉といっても、地域によって含まれる成分が異なりますし、それぞれに効能があります。
つまり、決して単純な温泉というわけではないのです。
さまざまな含有成分によって、健康・美容促進など体に良い影響を及ぼします。

たとえば、単純温泉の一種に“アルカリ性単純温泉”があります。
これはpH8.5以上のアルカリ度が高い泉質となっています。
アルカリ性のお湯は肌の余分な角質層を取り除くので、肌がつるつる・すべすべになります。
このため、「美肌の湯」とも呼ばれています。

また、単純温泉の一般的な適応症として、自律神経不安定症や不眠症、うつ状態が挙げられています。
心身のバランスを取り、心にも体にもよい影響を及ぼす温泉といえるでしょう。
毎日多くのストレスにさらされている現代人にとって、単純温泉は疲れを取り除いてくれるくつろぎの湯です。
自然豊かな温泉地にでかけて、日頃のストレスを解消されてはいかがでしょうか?
さらに、単純温泉に含まれるミネラル成分によって血行の促進、新陳代謝の活性化によるデトックス効果、筋肉の緊張を緩める、疲労回復などの効能も期待できます。

長湯には気をつけよう

単純温泉は刺激が少ない泉質なので、特別な注意点はありません。
だからといって、長時間の入浴などは体に負担がかかり、湯あたりの原因になります。
特に高温のお湯は、長時間の入浴は禁物です。
血圧上昇などのリスクがあるので、高血圧の方は特に注意しましょう。
また、特定の疾患をもっている方は、お医者さんに相談の上で入浴するようにしてください。