酸性泉とは

酸性泉とは?

酸性泉はその名の通り酸性の温泉で、欧米には少なく日本に多いので、私たちにはお馴染みの泉質といえるでしょう。
鼻がツンとするような酸性特有のにおいがあり、色は透明、または黄色を帯びた赤銅色をしています。
酸性なので刺激が強く、お湯につかると肌がピリピリするような刺激を感じることがあります。

酸性泉の温泉では群馬県の草津温泉が有名で、こちらのお湯はpH値が1.5~2と強度の酸性となっています。
レモンのpH値が2.5ですから、レモンよりもさらに酸性度が強いお湯と言えます。
草津のお湯に1円玉をつけておくと、酸によって1週間で溶けて消失するそうです。

草津温泉よりもさらにpH値が低く、日本で最も酸性度が強い温泉として人気なのが秋田県の玉川温泉です。
こちらはpH値は1.2と、胃液よりも酸性度が強いのです。
強い酸性の温泉が体の様々な悩みの改善に効能があるとして、全国から大勢の人が湯治に訪れています。
また、酸性泉は火山の近くで湧き出ることが多く、ほとんどが高温なのも特徴です。
玉川温泉は98度の熱湯で、高温の温泉としても日本トップクラスを誇ります。

酸性泉は優れた殺菌力が特徴

酸性泉はpH値が低い酸性であるため、優れた殺菌力が特徴です。
特に皮膚病に効用があることで知られており、別名「皮膚病の湯」として人々から親しまれてきました。
皮膚病全般に効能がありますが、その中でも水虫などの白癬症や疥癬、乾癬といったダニの寄生が原因の皮膚病に効果的です。

強い殺菌力で、ニキビや吹き出物も改善してくれます。
それだけではなく、酸が古い角質を溶かすのでピーリング効果があり、肌のシミくすみを改善する美肌効果も期待できます。

酸性泉は肌への刺激が強いので注意

酸性泉は強い殺菌力を発揮する一方で、肌などへの刺激が強いので注意が必要です。
お年寄りや小さなお子さん、体が弱っている方には不向きですし、持病がある方はお医者さんに相談してから入浴しましょう。

入浴時の注意として、タオルでゴシゴシと肌をこすったり、石けんを使ったりするのは控えましょう。
タオルや石けんで洗うと、角質が取れて肌を守るバリアが取れてしまうからです。
この状態で刺激が強い酸性泉に入ると、酸の刺激に負けて肌アレをすることがあります。

また、酸性泉は強い酸と高温のお湯で湯あたりしやすい泉質ですから、長風呂も避けましょう。
湯上がり前には、掛かり湯やシャワーで温泉成分を洗い流すのも忘れないようにしましょう。
温泉成分が残っていると、肌荒れの原因になります。

温泉の水を飲むのも厳禁です。
強い酸で胃がただれることがあるからです。
まれに飲用が許可されている場合がありますが、この場合は適量をゆっくりと飲むようにしましょう。