硫酸塩泉とは

硫酸塩泉の特徴

温泉というのは10の泉質に分けられていて、それぞれに効能が異なっています。
硫酸塩泉は10種類の泉質の中の一つで、陰イオンの主成分が硫酸イオンとなっており、温泉水1kg中に含まれている溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あるのが特徴です。

硫酸塩泉は、さらに「芒硝泉(ぼうしょうせん)」「石膏泉(せっこうせん)」「正苦味泉(せいくみせん)」の3タイプの泉質に分類することができます。
芒硝泉というのはナトリウムが多く含まれており、血圧を低下させる効能があります。
飲用にすると胆汁の分泌が活発化されるので、腸の動きが活発になります。

石膏泉は「傷の湯」とも呼ばれており、鎮静作用に優れており、じんましんにも効果があります。
また、正苦味泉はマグネシウム分を多く含んでいるのが特徴です。

硫酸塩泉が体に与える影響と注意点

硫酸塩泉はお肌に対して刺激が強いというわけではなく、切り傷や火傷の改善に適しています。
色は無色透明で、匂いに関しては、石膏泉はコゲたような匂いがするのが特徴です。

硫酸塩泉は皮脂を洗い流す力が強いので、温泉から上がった後はしっかりと保湿をする必要があります。
動脈硬化を改善する効果もある他に、脳卒中後の麻痺の改善にも効能を発揮すると言われています。

硫酸塩泉で有名な温泉地

硫酸塩泉で有名な温泉地としては、まず最初に群馬県の四万(しま)温泉があげられます。
四万種類の病気に効くということで名付けられた四万温泉は、疲労回復などに効果があり、胃腸を労わる効能もあります。
四万温泉へのアクセスは、車で行くなら関越自動車道の渋川伊香保ICから国道353号線を経由するのが便利です。
所要時間は約50分となっています。
公共の交通機関を使うのであれば、JR上野駅から新特急草津号に乗って約2時間、JR中之条駅からは関越交通バスに乗って約40分です。

箱根の強羅温泉も質の良い硫酸塩泉で有名です。
強羅温泉は東京からのアクセスも便利なので、週末の小旅行にはぴったりの場所です。
強羅温泉は「5色パステル温泉」で有名なところで、同じ硫酸塩線でも効能が違うのが特色です。
ストレス解消や冷え性にも効きますので、毎日仕事で忙しい人はぜひ一度行ってみることをおすすめします。

強羅温泉は明治27年から開発が始まり、現在は46箇所の源泉数があります。
「季の湯 雪月花(共立リゾート)」「ゆとりろ庵」など、いくつもの温泉宿がありますので、好みに合わせて早めに予約をしておくといいでしょう。
ゆとりろ庵は四季折々の風情を楽しむことのできる貸切温泉で、手の込んだ食事を堪能することもできます。
また、「箱根風雅」も客室数が少ない隠れ家的な温泉宿としてリピート客が多いのが特徴です。