温泉は個人でも掘ることができるのか

温泉の権利について

日本は火山が多い国であることから、全国各地に温泉があります。
古くから温泉地として栄えている観光地もたくさんありますが、温泉が出るエリアに住んでいる個人が温泉を掘ることはできるのでしょうか?

結論から言えば、「温泉は個人でも掘ることができる」ようになっています。
ただし、温泉を掘るためにはそれなりの手続きが必要となります。
まず、温泉を掘ろうとしている土地が自分の所有であることが肝心です。

さらに、温泉を掘削して利用する場合、都道府県と管轄保健所の許可を取得する必要があります。
各都道府県により基準は異なっており、周辺既存源泉から〇メートルは新たにに掘削できないなどといった決まりがありますので、まずは詳しく調べてみることが大切です。
さらに、地下水条例などといった他の法令に触れていないか言ったことも調べてみなければなりません。

全くの素人である個人が温泉を掘るのはなかなか難しいので、各種の申請手続きを代行している会社に依頼をするのがおすすめです。
会社に依頼をすると、必要書類の作成や関係官庁への協議、さらに現場立会などをトータルに代行してくれます。

温泉を掘るのにかかる費用

温泉を掘るためには、かなりの費用がかかることは覚悟していなくてはなりません。
事前の温泉開発調査から始まり、掘削等の申請業務、実際の温泉掘削工事、さらに温泉設備工事2費用がかかります。
1000m程度掘削しなければならないことも稀ではなく、さらに温泉を汲み上げるポンプ設備も設置しなければなりません。

堀削作業にかかる費用は、10m当たり60万円〜100万円と言われています。
トータルでは、約1億円の費用が必要になるとみておいて間違いはないでしょう。

温泉がでやすい場所

日本は他の国と比較してもずば抜けて温泉が多く、温泉が出やすい場所は多いのですが、岩盤の亀裂などにある温泉は量を確保するのが難しいこともしばしばです。
反面、砂や礫(れきー小さな石)が堆積しているエリアでは、温泉が出やすい傾向があります。

温泉が出るのは湯脈があるところで、必ずしも火山の近くである必要はありません。
全国の都道府県の中では北海道が最も温泉が多く、逆に沖縄では少なくなっています。
地熱の関係で100m掘るごとに水温は3℃上昇しますので、1000mも掘れば25℃以上の温泉が出てくることになります。

ただ、実際に掘ってみるまで泉質は分からないため、費用にかなりのゆとりがない限りは希望通りの温泉を掘るのは難しいかもしれません。
最近では、東京などでも温泉が掘られています。
ただし、地盤沈下などの問題もありますので、都市部で個人が温泉を掘るのはやめておいたほうが無難です。