好転反応とはどんな症状?
好転反応は、体の症状が改善していくプロセスにおいて、揺り戻しのように一時的に体調が悪くなることをいいます。
東洋医学の考え方で、瞑眩とも呼ばれています。
瞑眩とは目くらましという意味があり、「体調が悪化したように思わせる目くらましのような作用」であることからこう呼ばれています。
漢方薬の治療による副作用や、整体の施術による倦怠感などの好転反応が起こることが知られていますが、温泉でもこのような症状が現れることがあります。
温泉にはさまざまな薬効成分が含まれていますし、芯から体を温めることで血行が良くなり、筋肉がほぐれる効果があります。
それによって血流やリンパの流れ、細胞の働きなどが活性化し、体内の老廃物や疲労物質が血液によって運ばれます。
このような体の変化が、体調不良となって現れるのです。
しかし、好転反応は一過性のものです。
症状の長さは人によって異なりますが、通常は1日または2~3日で治まります。
温泉で起こりやすい好転反応の症状
温泉で起こりやすい好転反応の症状としては、体が重く疲れたように感じる、眠くなるなどがあります。
このほか、熱が出たり、下痢をしたり、汗が止らない、トイレが近くなる人もいます。
好転反応とよく似た症状に、湯あたりがあります。
湯あたりは、温泉の成分がその人の体に合わないことが原因で起こります。
温泉に何度も入る、長時間の入浴などで起こりやすく、めまいや吐き気、頭痛、疲労感などさまざまな症状があります。
湯あたりはその日のうちに現れますが、好転反応は2~3日目に現れます。
入ったその日のうちに体調が悪くなった場合、温泉に入るのをやめましょう。
また、好転反応だと思っていたら実は違ったという例もあります。
好転反応だろうと油断していると、体調が悪化することがあるので注意しましょう。
たとえ好転反応であっても、症状が出た場合は休息をして体をケアしてください。
体調がおかしいと感じたら、まずは涼しい場所で安静にして様子をみてください。
症状が軽い場合は好転反応だと考えられますが、症状が重いときは病院を受診しましょう。
特に、意識がもうろうとしている、血圧や脈拍に異常がみられる、高熱があるなど重篤な症状の場合は要注意です。
救急車を呼ぶなどして、早急に対応しましょう。
湯あたりや体調不良の予防法として、1日に何度も入ったり、長時間入ったりしないことが大切です。
特に初日は1~2回程度にとどめ、徐々に体を慣らしていきましょう。
入浴中は大量の汗をかきますから、入浴前と後には水を飲んで水分補給を忘れないようにしてください。
また、ビタミンCを補給しておくと湯あたりをしにくいといわれています。