含よう素泉とは

含よう素泉は2014年に新たに登場した泉質

含よう素泉とは、1キログラムの温泉水に“よう化物イオン”が10ミリグラム以上含まれている温泉のことをいいます。
泉質は温泉に含まれる成分によって決められていますが、その基準は環境省が定める『鉱泉分析法指針』です。

含よう素泉は、この指針によって2014年に新たに登場した泉質です。
名前からも分かるようにヨウ素を含んでおり、見た目は茶褐色で、薬品のようなにおいがし、口に含むと薬のような苦みが感じられます。
ヨウ素は殺菌力が高のいが特徴で、消毒薬のヨードチンキやうがい薬などの薬品にも使われています。

含よう素泉の効果は?

含よう素泉独自の適応症は、特に認められていません。
しかし、疲れの改善や血行促進、心身のリフレッシュ効果など、温泉から得られる一般的な効能全般が期待できます。

飲用した場合は、「高コレステロール血症」が適応症として認められています。
飲泉によってコレステロール値が下がるため、動脈硬化などの予防が期待できます。
また、ヨウ素は甲状腺ホルモンを作り出す原料であり、新陳代謝を促して体を成長させる働きがあります。
これによって皮膚のターンオーバーなどが活性化し、健康な肌や爪、髪の毛を作り出します。
内臓の働きを活発化させるなどの効用があるほか、血管を柔らかくして関節炎やリウマチを改善する効果も期待されています。

含よう素泉を飲泉するときは要注意

含よう素泉は、飲泉すると高コレステロール血症の予防などの効果が期待できますが、注意書きを守って安全に飲むことが大切です。
ヨウ素は体内では作り出せない成分なので、食品などから摂取する必要があります。
ヨウ素が不足すると、成長が阻害されるなどさまざまな病気の原因になります。
このため、飲泉でヨウ素を取り入れることで、高コレステロール血症など病気の予防などが期待できるのです。

しかし、摂取しすぎても甲状腺機能低下症などの病気を引き起こします。
特にバセドウ病などの甲状腺機能昂進症の人は飲用は厳禁で、ヨウ素の過剰摂取で命の危険がありますから十分に注意してください。
ヨウ素は昆布などの海藻に多く含まれているので、日本人は一般的な食生活を送っていれば、ヨウ素不足にはなりにくいと考えられています。
逆に、過剰摂取になりやすい可能性があるので注意しましょう。

また、含よう素泉の多くは海水を源泉としているため、塩分が含まれていることも多いのです。
飲泉によって塩分の過剰摂取が起こることもありますから、高血圧症の方も注意が必要です。
飲用が許可されているものを飲むのはもちろんのこと、適応症や禁忌症、飲用時の注意などが書かれている掲示板をよく読んで安全に利用しましょう。