炭酸水素塩泉とは

炭酸水素塩泉の特徴

炭酸水素塩泉は塩類泉のひとつで、とろっとした肌触りが特徴です。
温泉水に含まれている陰イオンの主成分が炭酸水素イオンであり、しかも温泉水1kg当たりに溶け込んでいるガス以外の物質が1,000mg以上であることが炭酸水素塩泉の定義となっています。
炭酸水素塩線はさらに、「ナトリウム炭酸水素塩泉」「カルシウム炭酸水素塩泉」「マグネシウム炭酸水素塩泉」の3つに分類することができます。
どれに分類されるかは、お湯に含まれる陽イオンの種類によって異なります。

炭酸水素塩泉は通常の場合、無色透明か白い沈殿物がわずかに含まれています。
白い沈殿物は石灰質の成分で、完全に無害ですので心配は要りません。

炭酸水素塩泉が体に与える影響と注意点

炭酸水素塩泉には、けいれんや炎症を抑える効果があると言われているマグネシウムイオンやカルシウムが含まれています。
切り傷やヤケドなどは、炭酸水素塩泉の温泉に入ると症状が改善することがあります。
その他、慢性皮膚病にも効果がありますが、症状があまりひどい場合には入浴を控えたほうが無難です。

炭酸水素塩泉は飲用として用いることも可能で、利尿作用によって痛風やぼうこう炎の予防にも効果的です。
高血糖値にも作用するので、糖尿病の人にもおすすめだと言われています。
炭酸水素塩泉の温泉に入るとお肌がすべすべになったような気がするのですが、乾燥肌の人は入浴後の保湿を忘れないようにしましょう。

炭酸水素塩泉で有名な温泉

炭酸水素塩泉の温泉としては、佐賀県の嬉野温泉が有名です。
嬉野温泉は神功皇后の時代にはすでに温泉地として有名な地域で、1812年に刊行されたシーボルトの「江戸参府紀行」にも泉質に関しての詳しい記述が出てきます。
入浴するだけでツルツルすべすべのお肌になれる美肌の湯としても有名で、島根県の斐乃上温泉、栃木県の喜連川温泉と嬉野温泉は「日本三大美肌の湯」と呼ばれています。
嬉野温泉には由緒ある宿に泊まってゆっくりする他に、日帰りで入れる露天風呂もいくつかあります。

木と石が調和した静かなたたずまいの「和多屋別荘」や、嬉野の街を一望できる空中露天風呂が楽しめる「ホテル 華翠苑」などがおすすめです。
風情のあるリゾートタイプのホテルが多いので、日頃のストレスを解消するにはぴったりです。

熊本県の黒川温泉も炭酸水素塩泉で有名で、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも二つ星の評価を得ています。
黒川温泉は食べ歩きも楽しい場所で、阿蘇のおいしい水を使って作られたお豆腐なども人気があります。
黒川温泉旅館組合の向かいにある「とうふ吉祥」では豆腐とこんにゃくの田楽定食や刺身こんにゃく定食、生揚げの定食が楽しめます。