塩化物泉とは

塩化物泉の特徴

温泉にはさまざまな性質がありますが、その中でも代表的なものの一つに「塩化物泉」があります。
塩化物泉というのは、陰イオンの主成分が塩化物イオンの温泉のことです。
塩化物泉の温泉に入ると、塩分によって毛穴が塞がれるため、汗が蒸発しにくくなり、体が温まります。
湯冷めしにくいのが塩化物泉の特徴で、このため、塩化物泉は「熱の湯」とも呼ばれています。

塩化物泉はきりきずや末梢循環障害、冷え性、うつ状態、そして皮膚乾燥症に効くと言われています。
また、飲用にすれば萎縮性胃炎や便秘にも効果を発揮します。
塩化物泉は無色透明で、微かにガスのような臭いがします。
飲んでみると海水のように塩辛いのも塩化物泉の特徴で、別名「食塩泉」とも呼ばれています。

塩化物泉が体に与える影響と注意点

塩化物泉は殺菌力が強く、切り傷などの痛みを和らげる鎮静作用があります。
アトピーの雑菌も消毒してくれる効能があり、しかも保温作用によって自律神経が整うので、アトピー性皮膚炎の緩和にも効果があります。
塩化物泉でありながら、硫黄や鉄などを含有する温泉などもあり、いろいろな効能を楽しめるのが塩化物泉です。

おすすめの塩化物泉

北海道は温泉地が非常に多いエリアで、その中でも特にオススメの塩化物泉宿の一つが、上の湯温泉の「銀婚湯」です。
銀婚湯は9万坪という広大な敷地を誇っており、泉質名は「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉」、宿泊客は5つの貸切露天風呂を利用することができます。
上の湯温泉は数百年の昔から先住民族であるアイヌの人々が狩猟の折々に利用していた温泉地で、1868年の成辰戦争で幕軍の負傷者を湯治させたところ非常に効果があったため、一躍有名になりました。
銀婚湯では、宿泊の予約をインターネットでも受け付けています。

青森県も塩化物泉が非常に多い地域で、特に弘前市郊外の「あたご温泉」が有名です。
駐車場からは日本百名山の一つである岩木山が一望にでき、景色のいい絶好のロケーションです。
あたご温泉のお湯は「モール」という名前の太古の植物成分も含んでおり、独特の清々しい香りがします。
お湯も美しい黄金色なので、一度は入ってみることをおすすめします。

もうひとつのおすすめの塩化物泉宿は、秋田県の男鹿(おが)温泉「元湯雄山閣」です。
男鹿半島は国指定重要無形民俗文化財の「ナマハゲ」でも知られる場所で、元湯雄山閣は「日本秘湯を守る会」の会員宿でもあります。
ここの温泉は源泉直結で、間欠泉のようにお湯が吹き出す様は豪快としか言いようがありません。
泉質名はナトリウム-塩化物泉で、濃い磯のような臭いがするのが特徴です。
男鹿温泉郷では「五風なまはげ太鼓ライブ」なども開催されていますので、秋田の魅力にどっぷりと浸るのもいいものです。