温泉には湯口と湯尻がある
日本では、温泉は非常に古くから私たちの生活に溶け込んできました。
仁徳天皇の時代には温泉は「熱い湯」と呼ばれており、すでに温泉に入る習慣があったということですから、1700年以上の歴史があることになります。
これほど古い歴史があるだけに、温泉に入るにはいくつかのマナーもあります。
温泉に行ったらマナーをよく守り、他の湯治客の迷惑にならないようにしましょう。
まず、温泉には「湯口」とい「湯尻」があります。
湯口というのは、温泉が湧き出ている場所とその周辺のことです。
湧き出ているお湯のため、水温が高いのが湯口の特徴で、しかも温泉によってはガス成分の濃度も高くなっています。
湯尻というのは湯口とは正反対の、湯口から最も遠い場所のことです。
湯口と比べると水温が低めで、ガスなどの有効成分も少なめなのが湯尻のお湯の特徴です。
湯尻のお湯は刺激が少ないので、お肌や体への負担が少ないというメリットがあります。
ですから、最初に温泉に入る際には湯尻から入って徐々に湯口へ移動していくのがベストです。
温泉でのマナー
湯口のお湯は有効成分が多く、湯尻から入って湯口にたどり着くとなかなかそこから動きたくなくなるものですが、湯口を自分だけで専有しないように心がけましょう。
何人もが入る露天風呂では、お風呂場に入ったらいきなり浴槽に入らず、まず最初に下半身を洗いかけ湯をします。
かけ湯をする際には必ずしゃがみ、他の人にかけ湯のお湯が飛び散らないように気を付けなければなりません。
温泉によってはシャンプーや石けんが禁止のところもありますので、入る前に確認しておくことも大切です。
温泉は体を洗うというよりも効能のあるお湯を楽しむ場所ですので、シャンプーなどはできるだけ客室内にある内湯などで済ませておきたいものです。
温泉に入る際には、水分の補給も大切なポイントです。
温泉に入ることによって発汗が起こり、体内の血液がドロドロになってしまいますので、入浴する15分か30分前までに水分を補給しておくことをおすすめします。
また、温泉から上がったときもしっかりと水分を補給しておきましょう。
こうすることによって、湯あたりも予防することができます。
温泉の入り方
入浴方法には全身浴の他に半坐位浴や寝湯、部分浴などがあり、それぞれに異なった効果が期待できます。
膝下の深さの温泉を歩く「歩行浴」などは運動療法としても用いられており、冷え性や自律神経失調症の改善に効果があります。
浅い浴槽に横たわる「寝湯」なども人気です。
日本温泉協会のホームページでは、温泉のいろいろな入浴方法が紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
入浴に関する詳しい知識や情報を得ることができます。